当記事は、筆者の主観によりカンファレンスコールの内容を抜き出したものです。英国で新しいPeloton Treadを発売
2020年12月26日に英国で新しいPeloton Treadを発売しました。海外の会員にトレッド製品を提供するのは初めてのことなので、英国市場の反応に満足しています。英国でのトレッドの販売数は予想を超えており、初期のレビューでは圧倒的にポジティブな評価を得ています。この発売の成功と新製品の素晴らしい反響を受けて、北米での新トレッドの発売スケジュールを再考せざるを得ませんでした。
北米での発売スケジュールを調整
当初の発売計画では、2月9日に米国での限定発売とカナダでの発売を予定していました。米国では、4月から全国的に販売を開始する予定でした。現在の市場の動きを調整し、英国とカナダのチームが高いレベルの顧客サービスで期待される需要に応えるために、これらの市場に追加のリソースを割り当て、米国での展開スケジュールを調整することにしました。
米国での発売を心待ちにしていた多くの方々にとって、これは間違いなく残念なことです。しかし、この数週間の追加により、当社では在庫基盤をより深く構築することが可能となり、配送開始後の会員の皆様により良いサービスをお届けすることができます。
2月9日のカナダでの発売計画に変更はありません。
米国では2月9日から、早期にPeloton Treadに興味を示していただいたお客様を対象に、限定数の新しいPeloton Treadの販売を開始します。この限定販売は、一部の郵便番号に限定されます。その後、5月27日にはアラスカとハワイを除く全米での展開を予定しています。
製造能力の大幅な拡大
ここ数四半期、当社は製造能力の大幅な拡大に注力してきました。15ヶ月前、当社は台湾を拠点とする第三者製造パートナーの一つであるTonic社を買収し、BikeおよびBike +の生産を大幅に拡大することができました。そして1年以上前には、新吉にあるTonicの新工場を起工し、この施設が稼働していることを報告します。
Precorの買収
当社のサプライチェーンの運命をより大きくコントロールしたいという願望のもと、当社はこれまでの最大の買収であるPrecorの買収を発表しました。PrecorチームをPelotonファミリーに迎えることができたことを誇りに思っています。Precor社は、商業用フィットネス機器の世界的な大手メーカーです。
Precor社の買収により、Peloton製品を米国内で生産することが可能となり、時間をかけて大規模な国内製造拠点を構築することが可能となります。
重要なのは、Precorは製造と研究開発に関する深い専門知識を持っていることです。これにより、新しいハードウェア製品をより迅速に市場に投入することができ、長期的に北米の会員基盤にサービスを提供するためのより良いポジションを確立することができます。また、Precor社の製品ポートフォリオと販売チームは、Precor社のフランチャイズを成長させるための重要な機会となり、Pelotonプラットフォームをより多くのフィットネス愛好家や、ホスピタリティ、集合住宅、企業キャンパス、大学などのチャネルに導入することができます。
買収発表でも述べましたが、Precor社のノースカロライナ工場では、今年度末までに米国内でPeloton機器を生産する予定で、今年度初めに買収を完了する予定です。買収が成功した場合には、次の四半期にPrecor社の詳細をご報告いたします。当社は、大規模なサプライチェーンへの投資の恩恵を受け始めていますが、当社の納期待ち時間は依然として上昇しています。
迅速な配送に1億ドル以上を投資
前四半期と同様に、当社製品に対する継続的な強い需要が西海岸の港の遅延、COVIDに関連した配送の課題により、通常の注文から配送までの待ち時間に戻ることができず、残念ながら多くの配送をリスケジュールせざるを得ませんでした。この問題に対処するため、今後もお客様の期待を裏切らないよう、システム、チーム、製造能力に多額の投資をしていきます。
重要なことは、新しいメンバーと一緒に正しい方向に戻るために、できる限りのことをしていくことです。そのために、製品の待ち時間を短縮するための迅速配送に1億ドル以上を投資しています。この費用には、航空輸送、海上輸送、コンテナを混雑の少ない他の港に運ぶための追加費用などが含まれます。会員サポートもまた、これまでも、そしてこれからも、私たちにとって重要な投資分野です。急速に拡大する会員基盤のサポートニーズに対応するために、当社は昨年、会員サポートチームの規模を2倍以上に拡大しました。
当社の製品をより確実に、より迅速に米国に届けるために、今後も多額の投資を続けていきます。
当四半期の事業のハイライト
それでは、当四半期の事業のハイライトをご紹介します。当四半期には、ネット接続型フィットネス会員数が33万3,000人増加し、当四半期末の接続型フィットネス会員数は前年同期比134%増の167 万人となりました。
12月31日現在の世界の会員数は440万人を超え、うちデジタル会員数は約62万5,000人となりました。デジタルは、コネクテッド・フィットネス製品の販売チャネルとして高い成長を続けています。また、ここ数四半期のデジタル会員数の著しい伸びと、コネクテッド・フィットネス製品へのアップセル転換率の向上にも満足しています。
第2四半期には、会員のエンゲージメントが引き続き急上昇し、コネクテッド・フィットネスの定額制ワークアウトは300%以上の伸びを示し、9,810万人に達しました。これは、第2四半期に1日あたり平均100万回以上のワークアウトが行われたことを意味します。また、1月には初日に200万回を超えるワークアウトを記録したことを報告できたことを嬉しく思います。第2四半期には、コネクテッド・フィットネスの1契約あたりの月平均ワークアウト数が21.1回であったのに対し、前年同期は12.6回であり、67％の増加となりました。
フルボディ・フィットネス・コンテンツの利用者が増加していることから、フロアベースのクラスのコレクションが特に好調な伸びを示しています。その好例が、バイクをベースにしたカーディオとオフロードバイクを使った筋力トレーニングを組み合わせた「バイクブートキャンプ」シリーズです。今期のバイクブートキャンプのクラスは、会員の皆様に200万回近く受講していただきました。
前にも述べたように、筋力トレーニングの強化は、当社にとって重要な戦略的焦点となっています。ストレングスバーティカルにピラティスのクラスを追加したことは、開始以来100万回以上の受講者があり、会員の皆様に暖かく歓迎されました。
今後の四半期も、ストレングスコンテンツの柱の成功を土台にしていきたいと考えています。
画期的なパートナーシップの拡大
新しいフィットネスモダリティとクラスの種類を追加するだけでなく、私たちは常に画期的なパートナーシップの機会に目を光らせています。
ご存知かもしれませんが、世界的な大スターであるビヨンセと提携してテーマ別クラスのシリーズを制作し、歴史的に黒人の多い10の大学の学生を2年間無料のPelotonデジタルメンバーシップでサポートしています。
私たちの最新のコラボレーションは、今最もホットなエグゼクティブ・プロデューサーであるShonda Rhimesとのコラボレーションです。これは複数のフィットネス分野にまたがる8週間のクラスコレクションで、恐怖心を克服し、可能性を最大限に引き出し、私たち全員の中にある内なるアスリートを発見することに焦点を当てています。
世界クラスのコンテンツと音楽チームは、今後数四半期にわたって、会員の皆様にさらに喜んでいただけるようなコンテンツを用意しています。
遅延支払のグローバル展開
第2四半期から残りの会計年度にかけて、当社はグローバルな決済プロバイダーと緊密に連携して、会員の利便性を向上させています。米国では、一部のお客様への支払い遅延キャプチャの展開を既に開始しており、販売時ではなく納品時に近いタイミングで支払いを回収するように取引プロセスを調整しています。この変更は、当社が納品時に収益を認識しているため、収益の結果や当社の予測には影響を与えません。しかし、時間の経過とともに、バランスシート上で認識される顧客預金が劇的に減少することになります。
遅延支払のグローバル展開は、今期の第4四半期に完了すると予想しています。
粗利率は減少するも折り込み済み、営業費用は大幅減
当四半期の売上総利益率は39.9％でした。コネクテッド・フィットネス製品の売上総利益率は35.3％で、前年同期比3.85%の低下を見込んでいます。この減少の主な要因は、前四半期の決算説明会で述べたように、9月9日に当社オリジナルのBikeの値下げと、第2四半期に発生した配送料の迅速化です。
サブスクリプションの粗利益は60.3％で、サブスクリプションの貢献利益は予想をわずかに上回り、固定費のレバレッジが予想を上回り、変動費の効率も一部変動しました。コネクテッド・フィットネスの月平均純解約率は0.76%と、予想をやや上回る結果となりました。
売上高に占める営業費用の割合は34.4％（前年同期は55.5％）となりました。当四半期は売上高が好調であったため、営業費用を大幅に削減することができました。売上高に占める販売費およびマーケティング費用の割合は 16.7%であったのに対し、前年同期は 34.4%でした。
第3四半期の見通し
第3四半期の売上高は約11億ドルで、前年同期比110%の成長を見込んでいます。最近の四半期と同様に、当四半期もかなりの数の未納分を抱え込んでいます。第3四半期には、第3四半期末のコネクテッド・フィットネスの会員数は198万人となり、前年同期比123%の伸びを見込んでいます。
第3四半期のコネクテッド・フィットネスの月平均解約率は0.75%未満に留まると予想しています。
港の混雑の問題は引き続き当社の製品納入窓口にマイナスの影響を与えています。
ご存知の方もいるかもしれませんが、ロサンゼルス港のエグゼクティブ・ディレクターが最近報告したところによると、港の荷揚げ時間が1年前に比べて4倍も長くなっています。このような混雑の問題を解決し、より迅速かつ確実に製品を会員の皆様にお届けするためには、近いうちに多額の追加投資が必要であることは明らかです。航空輸送費の大部分は第3四半期にBikeとBike+のために投入され、商品の待ち時間を劇的に改善し、新規会員の皆様の再スケジュールを最小限に抑えることができます。この費用には、アジアからの海上運賃の値上げも含まれており、現在、通常の3倍の運賃であり、当社の予想にも反映されています。
これらの費用は、第3四半期のコネクテッド・フィットネスの売上総利益率に短期的ではありますが重大な影響を与えると予想していますが、第4四半期の影響はより緩やかなものになると考えています。今後数ヶ月の間に在庫を大幅に積み上げていくため、6月までにはこのような多額の配送費用はほぼ解消されると考えています。
第3四半期の売上総利益率は、コネクティビティ・フィットネスの売上総利益率が約29％、サブスクリプション貢献率が約64％で構成され、約35％になると予想しています。コネクティッドフィットネス製品マージンが前年同期比でデレバレッジされている主な要因は、先ほどご説明した送料の増加、当社オリジナルのバイクの値下げ、トレッドへのミックスシフトです。
長期的には、サブスクリプション事業の貢献度は70%を超えると予想しています。
通期の見通し
次に通期の見通しですが、2021年度の通期の売上高は、前年同期比123%以上の伸びを示す40億7500万ドル以上になると予想しています。2021年度後半には、出荷・製造投資による在庫の圧縮やマーケティング費用の再開などにより、四半期ごとに売上高が増加すると予想しています。通期の増収見通しは、主にBike、Bike+に対する世界的な旺盛な需要の継続と、Tread+に対する米国の旺盛な需要に牽引されています。
2022年度の業績には、新しいトレッドがより意味のある貢献をしてくれると期待しています。
2021年度については、コネクテッド・フィットネスの契約終了数は227.5万件以上、コネクテッド・フィットネスの平均月次純解約率は0.8%未満に留まると予想しています。2021年度の売上総利益率は、年間を通しての輸送コストの上昇により、航空輸送、海上輸送、配送料の値上げなどへの投資を含め、前回の通期見通し41％から約39％低下し、コネクティッドフィットネス製品の売上総利益率は約34％になると予想しています。その他の要因としては、最近のバイクの値下げやトレッド製品への継続的なミックスシフトなどがあります。2021年度のサブスクリプション貢献率は約65%となり、前期のガイダンスから1%上昇すると予想しています。
製造能力が需要を上回っているのは需要が軟化しているわけではない
製造能力が需要を上回っているとおっしゃいましたが、それは厳密には生産能力を増強したからなのでしょうか？それとも注文から納品までの時間が長くなったことによる需要の変化は見られますか？
需要が軟化しているわけではありません。ご存知のように、ライトマーケティングに直面していても、私たちは信じられないほど強いオーガニック需要を見ています。受注から納品までの期間を短縮し、バックログを減らすことに成功しているのは、過去12ヶ月間に製造能力を6倍以上にアップグレードしたことに100％基づいています。いや、今では月次ベースで2018年度の全生産台数を上回るバイクを生産しています。
