コロナ感染者増加やワクチン完成が迫る米国株相場の動向と立ち回り方を考察

2020年11月9日(月)、Pfizerから新型コロナワクチンに関する良好な暫定結果が発表され、景気回復の期待から一時的に10年債が急上昇し、巣ごもり銘柄を筆頭にグロース株が一斉に下落しました。

ファイザーの新型コロナワクチン、確率90%超で感染防ぐ暫定結果
米ファイザーがドイツのビオンテックと開発している新型コロナウイルスワクチン候補は、数万人が参加した治験で90%を超える確率で感染を防いだ。暫定結果が示した。

ワクチンの完成や申請の発表ではなく只の経過報告だったことやアメリカの感染者数が現在も加速度的に増加していて水曜日には1日あたりの新規感染者数が15万人を突破したこともあり、10年債は再び下がりグロース株も下げ止まりして週を終えました。

https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/united-states/

一時的とはいえ巣ごもりリーダー銘柄のZoom($ZM)やPeloton($PTON)は-20%前後の下げ、その他のグロース株も全面的に急落し、翌日以降は米国株投資家から現金やバリュー株の比率を高める声が多く見受けられました。

私自身も事前にリスクを想定して準備をしておこうとツイッターにつらつらと考えを呟いていたので、折角なのでブログにもまとめてみます。

※あくまで素人の考察なので話半分で読んで頂けたらと思います

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現時点でグロース株にとってのリスクは主に3つ

  • 感染者増加、ロックダウン:バリュー株() グロース株(
  • ワクチン承認:バリュー株() グロース株(
  • 長期金利上昇:バリュー株() グロース株(

※大雑把にバリュー株とグロース株に分けていますが、新型コロナや金利による影響度は銘柄毎で変わるため判断は個別に必要です

感染者増加、ロックダウン

先でも触れた通り、現在アメリカの感染者数は加速度的に増えていて最高値を更新中です。トランプ大統領は「トランプ政権中はロックダウンをしない」と発言されているようですが、これは全土レベルでロックダウンしないと言っているだけで州や地域毎では既に起き始めています

このまま実質的に全州がロックダウンし、死者の増加や経済が再度滞るような状況が続くと第2コロナショックが起きる可能性があります。

3月と同じ動きだと暴落前にVIX恐怖指数が急上昇し株価は週内で連日10%弱下がる現象が起きます。そして最終的には現在の株価から4~6割ほど下落し底をつきます。

しかし、楽観的に考えると3月のコロナショックを乗り越えて株価は上昇をしているので、株価は当時ほど暴落せずに寧ろ巣ごもり銘柄は上昇するかもしれません。

新型コロナが悪化することで業績が上がる企業を皆知ってますし、既にかなり高いバリュエーションで取引されています。反対に下がる企業は既に落ちきっているのでここからより一層格差が広がることは考えづらいです。

市場の資金は機関投資家のお金が殆どなので彼らが引いてしまえば個人投資家も慌てて売り一時的な暴落はあるかもしれませんが、買いと判断する投資家も多くいると思われるため、巣ごもり銘柄という一部の銘柄に集まる状況では需給が横ばいか上回るのではないかと考えています。

もしこのような状況になった場合は機関投資家の売買が消極的になることで出来高が少なくなり、一層ボラが激しい相場になる可能性があります。もし渦中で売買を続ける場合はVIXを注視しながら立ち回るのがよいと思います。

ワクチン承認

先日の発表は経過報告にも関わらずグロース株の殆どがマイナスに反応しました。11月以降はワクチンの動向が明らかになるのは以前から言われていたことでサプライズではありません。

強いて言えば、最終治験のより具体的な経過報告だったことや大統領選挙のゴタゴタが続いていることで市場に織り込まる前に発表されたことが大きく反応した要因だった可能性があります。

とはいえワクチンが正式に承認されるまでは度々下落する場面が続き、グロース株のバリュエーションは調整されることが考えられます。

ワクチンの朗報が出ると投資家の多くはコロナショック以来落ち込んでいるバリュー株をなるべく底で買いたいと思うはずです。業績が悪くても新型コロナが収束し元に戻る見通しが立てば少なからずコロナショック前の株価までは買いが入り、結果としてお金が集まっている巣ごもり銘柄が売られることになります。グロース株を叩き売られるというよりは、純粋にお金が移動するのです。

そう考えると巣ごもり銘柄やグロース株はここ1,2ヶ月でズルズルと下落して、承認日直前(or 承認可否)まで底を付かないこともあり得ます。

承認発表は唐突にされる可能性が高いですが、大抵はウワサがSNSで広まりその時は否認も織り込まれた買いが入り反発するかもしれません。仮に正式に否認されれば巣ごもり銘柄・グロース株はに入ります。

ワクチン承認後の相場

ワクチンが承認された場合はアフターコロナでも高成長が期待できるグロース株にお金が戻ってくることが考えられます。金利上昇については後のセクションで振れるため割愛しますが、ニュースの度に株価と共に金利の底上げもされるはずなので承認発表で極端に動くことは考えづらいです。当日は強く売り込まれたとしても次第に株価は上がっていくと予想しています。

何故なら実体経済が回復しない中でバリュー株がコロナショック以前の株価よりも高いバリュエーションで買われていくことは考えづらく、投資家は直近の決算がよく成長が期待できるグロース株に資金を再度移動すると考えられるからです。

但し、これまで通りにグロース株の株価が上昇するかは疑問に思います。バリュー株の株価は上がらないにしてもこれまで一部の好調セクターに集まっていたお金が分散されますから、ボラも落ち着いていくはずです。そうなるとニュースや決算ひとつで一気に数十パーセント上がるという場面は少なくなっていくと思います。

又、ワクチンが多くの人に接種がされるのも抗体ができるのも数ヶ月掛かると言われているため、次期決算ではまだ答えがでない可能性は高いです。ワクチンが完成しても不確定要素がある状態は変わらないので活発な取引が行われない可能性があります。

仮に方向性が見えるようになってきたら売上見通しに内外的に見直しが入り、直近の決算がよくてもガイダンスの引き下げやグレード落ちで株価は大きく下落することが懸念されます。

ワクチン承認後はガイダンスを控えめに発表する企業には注意が必要かもしれません。

長期金利上昇

ワクチンが承認されると景気回復が期待され金利(10年債)が上昇します。金利が上昇すると企業の将来見込める収益が割り引かれるため、事業規模が小さく利益を営業費用に回しているグロース株にマイナスの影響がでます。先日も同様の現象が起きました。

ではワクチン承認時にグロース株が暴落するかというとそうではないと思います。先でも触れた通り、ワクチン承認は事前に織り込めるので金利も徐々上昇し、折り合いをつけながら下げていくはずです。

とはいえ、現時点からみれば暴落といえるほど株価は落ち込む可能性があります。そして戻ってくるのにどれくらいの月日が必要かは検討がつきません。直ぐに戻るかもしれないですし、数ヶ月やそれ以上掛かるかもしれません。

前述の通り、決算がよければ株価が爆上げするという地合いではなくなる可能性もあるため、今保有している銘柄については株価が“戻る”ことに数ヶ月掛かっている状態をずっと耐えられるか、その間に新しく注目された銘柄が上昇しているのに耐えられるかを覚悟しておく必要がありそうです。

この状況でどう立ち回るべきか?

ワクチン承認までの立ち回り方は色々とあると思います。

  • 現金比率を高めてグロース株の買い時を待つ
  • バリュー株比率を高めて相場に乗っかる
  • 長期的には誤差なのでガチホ ..等

私は2パターンのプランを検討しています。

A案:段階的に比率を変えて相場の波に乗っかる

ワクチン申請前までに[バリュー株 8:グロース株 2:ワクチン株 1]の比率にして申請後[5:4:1]、承認発表前[3:6:1]、発表後[1:8:1]と徐々にグロース株の比率を上げていく方法です。

上手く売買できれば短期的に効率良く利益を得られる可能性がありますが、乗り遅れたりただ遊んで終わり下手すると損をする可能性もあります。見方によるとは思いますが、ここまでくると投資ではなく投機ですね。

B案:段階的にグロース株に資金を入れ直す

一度現金比率を高めて毎週一定額を入れ直す方法です。つまり、個別銘柄にドルコスト平均法を使います。これであればリスクヘッジしつつこれまで通り気に入った銘柄に投資ができます。

どちらの方法を選ぶか、もしくは他の方法を選ぶかは今週の様子をみて決める予定です。自分の性格や投資スタイルと相談して後悔しない選択をしたいと思います。

考察

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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